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Evidence Bundle(証跡バンドル)

Evidence Bundle は監査用パッケージであり、AIガバナンスの説明可能性と追跡可能性を支える構造化されたアーティファクトの集合である。製品機能ではなく、監査・コンプライアンス向けの成果物形式である。

ルート必須構成(規範)

バンドルのルート構成Evidence Bundle ルート構造(v0.1) で規範的に定義する。バンドルルートには以下が MUST で存在すること:manifest.jsonobjects/payloads/signatures/hashes/Integrity(マニフェスト、sha256、署名の存在)は規範であり Validator が検証する。Custody(保管・アクセス制御)は実装側で定義する。

バンドル構造と命名

  • バンドルルート命名: {org}_{system}_{period}_{version} など一貫した形式を用いる(例: acme_ai-usage_2026-Q1_v1)。
  • 必須ファイル: Evidence Pack テンプレート(EP) に整合した証跡(EV)セット、Dictionary、バンドル概要の Summary、およびバンドル・内容の変更を記録する Change Log(またはその参照)を少なくとも含める。
  • 任意添付: ログ、審査記録、例外承認、更新記録など。命名を統一し、EV/辞書から参照可能にすること。

目次(TOC)

セクション アーティファクト 必須 目的 最小フィールド 検証
Evidence EV レコード(JSON/配列) はい 実施内容の記録;request/review/exception/renewal へのリンク id, timestamp, source, summary;任意でライフサイクル参照 Validator、aimo-ev.schema.json
Dictionary dictionary.json はい コード・次元のキー/ラベル/説明 entries(key, label, description) aimo-dictionary.schema.json
Summary summary(文書またはフィールド) はい 監査向け1ページ概要 スコープ、期間、主要判断、例外
Change log change_log または参照 はい バンドル/内容変更の監査証跡 id, timestamp, actor, 変更内容, references
Request 申請記録 該当時 利用の申請 id, timestamp, actor/role, scope, rationale
Review/Approval 審査/承認記録 該当時 審査・承認結果 id, timestamp, actor/role, decision, references
Exception 例外記録 該当時 代替統制・有効期限付き例外 id, timestamp, scope, expiry, compensating controls, renewal ref
Renewal 更新記録 該当時 再評価・更新 id, timestamp, actor/role, decision, 先行 exception/EV への参照

規範的関係:EV レコード(索引)と Evidence Pack(ペイロード)

二重構築と監査上の曖昧さを避けるため、以下を規範とします。

  1. EV レコード(JSON)索引/台帳であり、機械検証可能なトレーサビリティを提供します。実施内容(申請・審査・例外・更新・変更)を記録し、安定IDと相互参照を MUST で持ちます。
  2. Evidence Pack ファイル(EP-01..EP-07 のドキュメントとマニフェスト)はペイロードであり、索引が参照する人間/ツール可読な証跡です。
  3. リンク: EV レコードは evidence_file_ids(例:EP-01, EP-02)および/または暗号学的ハッシュでペイロードを参照することを SHOULD とします。Validator は、これらの参照が存在する場合(例:参照された file_id が Evidence Pack マニフェストに存在し、任意のハッシュが一致すること)に参照整合性をチェックします。
  4. 監査提出の最小セット: EV JSON(root/records)+ Dictionary + Summary + Change Log + Evidence Pack(マニフェスト+ファイル、例:zip)。これら全体が適合の対象となります。

実装者は単一の情報源を維持します。EV 索引がパックを参照し、パックは Taxonomy EV コード(申請記録、審査/承認記録など)の意味を再定義しません。Evidence Pack テンプレート で EP-01..EP-07 のドキュメント種別を参照してください。

追跡可能性(Traceability)

  • 安定ID: 各レコード(EV、request、review、exception、renewal、change log エントリ)は安定した一意の識別子を MUST で持つ。
  • 相互参照: Request → Review → Exception(あれば)→ Renewal をリンクし、EV 項目は参照フィールド(例: request_id, review_id, exception_id, renewal_id)でこれらにリンクする。
  • リンク: 監査人が AI 利用(または例外)から申請・承認・例外(代替統制・有効期限)・更新までの鎖を追えるようにする。

監査での利用

監査では、Evidence Bundle を用いて、AI 利用が申請・審査・承認されていること、例外が有効期限と代替統制・更新と紐づいていること、変更が記録されていることを確認する。TOC と追跡可能性のルールにより、必要なアーティファクトの所在と、request / review / exception / renewal / EV 間の ID と参照の追跡が可能となる。Summary で概要を把握し、Change Log で変更管理と説明責任を支える。

MUST レベルのフィールドとライフサイクル区分は Minimum Evidence Requirements を参照。

運用ガイダンス

!!! info "Integrity(規範)と Custody(実装側)" - Integrity は v0.1 で規範とする。バンドルには manifest.json、object_index/payload_index の sha256、signatures/ にマニフェスト参照署名が必須。Validator がこれらを満たさないバンドルを拒否する。 - Custody(アクセス制御・保持・WORM)は実装側で定義する。採用者はアクセスロール、保持ポリシー、監査証跡を文書化すること。詳細は Minimum Evidence Requirements > Integrity & Access を参照。

監査ジャーニー

本ページから、典型的な監査ジャーニーは以下のように続く:

  1. 次へ: Minimum Evidence Requirements — ライフサイクル別 MUST チェックリスト
  2. 一枚まとめ: Evidence Bundle Coverage Map(テンプレ) — スコープ・エビデンス種別・コントロール対応・除外・整合性(informative)
  3. 続いて: Coverage Map — 外部フレームワークへのマッピング
  4. 検証: Validator — 構造チェックを実行
  5. ダウンロード: Releases — リリースアセットを取得し、チェックサムを検証